知っておきたい病気
2026年7月 息切れは体からのサイン─ 原因を知り、早めの相談を
たていしクリニック
立石 裕樹
◆「息切れ」は“呼吸が苦しい”と感じる主観的な症状です
「歩くと息が上がる」「階段がつらい」「深呼吸がしにくい」。こうした息切れは、本人が苦しいと感じる主観的な症状です。検査で異常がはっきりしない場合でも、体からのサインとして大切に考える必要があります。
原因は、心臓や肺の病気、貧血、筋力低下、脱水、薬の影響、生活リズムの乱れなどさまざまです。複数の要因が重なることも少なくありません。
◆息切れの背景には“生活”と“心の状態”が隠れています
息切れを理解するには、検査だけでなく、生活や心の状態も振り返ることが大切です。食事量の低下、外出の減少、水分不足、薬の変更、気分の落ち込みなどが、体力や筋力の低下を通じて息切れにつながることがあります。
◆クリニックで行う検査が、精査と治療方針の手がかりになります
息切れの原因を見極めるため、診察に加えて必要な検査を組み合わせて判断します。クリニックで行う検査は、心臓・肺・貧血・感染症などの確認に役立ち、治療や専門医紹介の方針を考える手がかりになります。
・血液検査:貧血、炎症、心不全のサイン、甲状腺機能などを確認します。
・胸部レントゲン:肺炎、肺の異常、心臓の大きさなどを確認します。
・心電図:不整脈や心臓への負担の有無を調べます。
・酸素飽和度測定:血液中に酸素が十分取り込まれているかを確認します。
・呼吸機能検査:肺活量や息の吐き出しやすさを調べ、喘息やCOPDなどの評価に役立てます。
・心エコー検査:必要に応じて、心臓の動きや弁の状態を確認します。
・運動負荷検査:歩行や軽い運動で症状や心電図の変化を確認し、日常生活での息切れの程度や運動の安全性を評価します。
検査結果と生活状況を合わせて考えることで、一人ひとりに合った治療、リハビリ、生活支援につなげていきます。
◆治療・リハビリ・介護 、そして心のケアの連携が鍵
息切れは「体」「生活」「心」の問題が重なって起こるため、薬だけ、リハビリだけ、介護だけでは改善しにくいことがあります。改善には 、医療(病気の治療)、リハビリ(体力の回復)、介護・生活支援(暮らしの調整)、心のケア(抑うつ・不安への対応)を組み合わせて考えることが大切です。
◆明日からできる息切れ予防のヒント
・毎日10~20分、無理のない範囲で歩く
・こまめに水分をとる
・食事量や体重の変化に気を配る
・睡眠の質を整える
・気分の落ち込みや意欲低下が続くときは早めに相談する
こうした小さな工夫の積み重ねが、息切れの予防につながります。
◆気になる息切れは、早めに相談を
息切れは、体からの大切なサインです。「年齢のせい」と思い込まず、気になる症状が続くときは早めにご相談ください。原因を調べ、治療・リハビリ・生活支援・心のケアを組み合わせることで、より快適な毎日につなげることができます。